- 市民にも観光客にも
愛される駅を目指して -
尾道駅 駅長片岡 茂樹さん
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鉄道広告池田 達美
- しまなみ海道が開通した1999年にJR西日本に入社し、尾道駅配属。
各地で業務に従事後、2016年2月に尾道駅駅長着任。
せとうちエリアの魅力発信拠点に
125年ぶりとなる尾道駅の新築。
新たな尾道駅のスタートに駅長として深く携われることに感謝し、新しい駅舎の開業を成功に導くよう尽力すると決意を教えてくれました。
「サイクル、グルメ、シネマ、観光と大きなポテンシャルのある街。さまざまな観光スタイルで楽しめるエリアの玄関口として魅力的な尾道駅にしていきたいです」。
2019年 春の新拠点誕生へ向けて
新駅舎の開業は2019年3月頃。
サイクリスト向けの宿泊施設を備えるほか、目の前に広がる尾道水道を楽しめる眺望デッキなど、尾道の豊かな風土を活かした空間となります。
また、観光拠点として情報発信の機能はもちろんのこと、旬な尾道を感じられる場所に。
せとうちエリア周遊の新拠点として、その可能性は無限大です。
- 創業105年、老舗の味と
伝統を守り続ける -
桂馬蒲鉾商店 四代目村上 優美さん
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鉄道広告正木 孝則
- 尾道を代表する老舗蒲鉾店の四代目。蒲鉾を使った新商品の開発や、手作り体験、SNSでの情報発信を担当。
桂馬のこの味を残していかなきゃ!
地元の高校を卒業後、大学進学のため上京。
学生時代にはじめて食べた桂馬の蒲鉾以外のかまぼこ。「あれ?違うと思ったんです」と村上さん。
「瀬戸内海の生魚100%の蒲鉾作りを続けているのはうちだけなんです。
大学生活の4年間で想いがつのり、桂馬蒲鉾を継ぐ決心をしました。
外に出たからこそその魅力に気づきました」。
祖父と父が築いた伝統の製法
毎朝水揚げされる瀬戸内海の生魚100%にこだわり、化学調味料・合成保存料を一切使用しない。「大量生産せず、ひとつひとつ手作りすることが伝統なんです」と、その製法は100年前と何ひとつ変わりません。
魚の栄養を手軽に摂れる桂馬の蒲鉾は、小さな子どもさんやお年寄り、妊娠中のママにもぴったりな栄養源になるのです。
まちに活気を!地元への恩返しに
休日にはできたての蒲鉾を食べ歩きしてもらいたいと店頭で揚げたての販売も。
キュートなもの、スイーツ蒲鉾までバラエティ豊かな新商品を開発しています。
「ご自宅用はもちろん、贈答用として贈った方も贈られた方も笑顔になっていただけるのが私たちの幸せです。
これからも尾道の蒲鉾として愛してもらえるようがんばります」。
- 宗派を超えた絆が、
観光客とのご縁を紡ぐ -
西國寺 副住職麻生 裕雄さん
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鉄道広告池田 憲泰
- 京都の醍醐寺で修行後、25歳で実家である西國寺の副住職に。「尾道七佛めぐり」にも参加し、寺の魅力を発信。
尾道だからこそ可能な絆づくりを
大小25ものお寺が山側に密集する尾道。近年は御朱印ブームもあって、日本全国から多くのお寺ファンが足を運ぶまちとしても知られています。
「このお寺を後世に繋げていくためには、寺の魅力を発信していかなければなりません。
自分の寺だけではなく、尾道全体を盛り上げていくことが大切だと思っています」と麻生さん。
宗派を超えた「尾道七佛めぐり」
尾道にある七つの寺が協力し開催する「尾道七佛めぐり」。
その人気の秘密はお坊さんと一緒に寺めぐりを楽しめるということ。
「私たち僧侶が一緒に歩き、正しいお参り作法やそれぞれのお寺のご利益のこと、御朱印のことなどをお話ししています。
まちに魅力と力があるからこそ、15年以上も続けていけると実感しています」。
笑顔が集まるもっと身近な場所に
西國寺には、全国から多くのご夫婦がお参りされる子授け地蔵があります。
「この場所にはとても多くの温かい物語が宿り、ご夫婦の笑顔を見るたびに、繋げていきたいご縁だと思います」。
また、ライトアップや本堂でのライブイベントなど、住民も観光客も一緒に楽しめるイベントも企画。
進化する尾道の寺めぐりに注目です。
- 映画をきちんと観られる
環境をきちんと守り続けたい -
シネマ尾道 支配人河本 清順さん
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鉄道広告岡本 佳奈
- 尾道唯一となる映画館を運営するNPO法人シネマ尾道の代表。
開館10年を迎え、映画界も注目する女性支配人。
「映画の街」に映画館をもう一度
尾道本通り商店街の入口、2008年に開館した『シネマ尾道』。
支配人である河本さんは尾道出身。
2001年に唯一残っていた映画館の閉館を悲しみ、日常の中に映画を取り戻したいと映画館の復活を決意。
「映画の街、尾道に映画館がないという現実がくやしかったんです」と河本さん。
その想いは人の心とまちを動かしました。
尾道を発信する場所にしたい!
「シネマ尾道は映画を観る場所だけでなく、尾道のまちを発信する場所でもありたいと考えています」と、尾道が舞台となった1953年の作品『東京物語』を、毎年夏に地元の小中学生に観てもらうプロジェクトや映画づくりのワークショップも。
「次世代へ向けて、ひとりでも多くの映画を観る人が増えればいいなと思っています」。
映画館で観る素晴らしさを伝える
「映画の鑑賞環境も多様化し、郊外型のシネコンはもちろん、スマホでも鑑賞できるようになりました。そんな中でも私たちが残したいのは、ふとした日常で映画を観られる環境なんです」。
同じ想いを持つスタッフとボランティアスタッフが、まちへの愛着を持って運営を続けています。
すべては尾道を愛する人々の笑顔のために。
- 尾道の魅力発信に
繋がるまちづくりを -
尾道観光協会 事務局長樋本 健二さん
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鉄道広告福田 隆史
- 尾道の歴史や文化、その観光情報の発信業務に39年間従事。
スマホやSNSを活用したイベントなども手がける。
尾道の魅力は古き良き日本の姿
山手に住宅が密集し、道も車が通れるか通れないかの細さ。
「この細い路地を散策するのが、尾道観光の醍醐味のひとつではありますが、暮らすには不便。
だけど、この不便さが魅力だと思っています」と樋本さん。
開港850年を迎えた港町「尾道」は、まさに古き良き日本の縮図。
そんなまちの魅力発信を担うのが尾道観光協会です。
歩いて回る観光のしくみを作る
樋本さんが心がけるのは、尾道を散策してもらうということ。
「観光スポットは駅から東側へ海沿いに約2kmの範囲にあり、1日でその魅力を十分に楽しんでいただけるまちです」。
目的もなく、人しか通らない路地をキョロキョロと。
地元ならではの地域密着型のツアーも開発し、五感をくすぐる旅スタイルを独自に提案しています。
変わりゆく観光スタイルに敏感に
「団体から個人へと、この40年間で旅行スタイルも変わりました。
最近では海外からの観光客も多く、なんでここ?!と思う場所を撮影している姿を見かけることも。
尾道に足を運んでくださるすべての方が楽しめるまちづくりをしていくのが私たちの使命だと思っています」。
あらゆるニーズに応える魅力発信から目が離せません。
地元に愛される駅づくりを
2019年春の完成を目指して建て替え工事中の尾道駅舎。
長年愛された駅舎の建て替えを開始するにあたって、感謝の気持ちを込めて開催した「ありがとう尾道駅舎」。
「駅舎の壁や窓に書かれた市民や観光客からの温かいメッセージを見て、みなさまの深い愛着を改めて感じました」と話すのは、尾道駅で駅長を務める片岡さん。